塗装工事やリフォーム工事の見積の場合は、価格の相場が定価のあるものを購入しないと、
見積り価格の相場がわかりません。
そこで有効な手段の方法の一つとして数社による相見積もりを取ることも良いと言えるでしょう。
ただしここで注意しなければならない事は、現地の調査もせずに見積書を提出を求め、
工事価格の安さだけで塗装業者を決定、工事依頼することです。
なぜなら単純に施工方法や材料仕様が異なっていたりすることもあります。
(お客様と塗装業者の意思の疎通が通わなくて、お互いの思い違いによる場合もあります)
また提案された材料が同様であっても実際に施工される際の施工技術や、
施工の品質が大きく異なる場合があります。
(塗装技術者の経験や工事方法もちがいます)
価格が高いからと言って利益率の反映ではなく、工事の質を重じた原価の反映が見積書なのです。また安いからと言って工事の質を落とし工事原価そのものを安くしている場合もあります。(やるべき工事をせずにとりあえずは塗装で壁に色を付けた塗装工事など)
建築工事の特質上、見積書をもらった時に未完成品の工事であるだけに、
ゆっくり、じっくり工事内容を打ち合わせして工事を決定する事が大事です。
また保証という言葉がよくつかわれていますが、
この内容も曲者で業者の保証とは塗装工事の保証であって、
塗装材料の保証ではないということです。
(これも確認の必要があります)
塗装工事の見積の価格は、1. 作業性、2. 工法、3. 現在の塗膜(または下地)状況、4. 会社の形態及び方針
によって変わります。ここに一律に単価を決定出来ない難しさと比較の難しさもあります。
見積り価格に影響する要素 | その理由 |
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【1】作業性 | 作業環境(作業しやすい場所であるか否か)、 施工規模(面積が大きくなれば相対的に作業性が良くなることから 基本的に単価は下がります)による違い。 |
【2】工法 | どのような材料(シリコンorフッ素等)を使って どのような塗り方(薄塗りor厚塗り等)がなされるか。 |
【3】現在の塗膜 (または下地)状況 |
劣化塗膜の剥離作業やクラック処理等、下地の状況により 必要とされる下地処理の種類が変わってくるためです。 |
【4】会社の形態及び方針 | 一括下請けによる施工体制か直接施工による会社形態など、 施工体制の違いや利益率における方針は価格に 如実に出てくると思います。 |
【1】~【3】は同じ会社でも施工単価を一律に出来ない要因で、
【4】に関しては異なる会社によって出来る価格の要因です。
積算者の立場から平たく申し上げますと、既存の塗膜状況を確認し、
必要とされる工事工程(工法)を決定し、作業性に照らし合わせ、工事原価を割り出します。
そして、会社が健全に運営存続可能な必要経費を加算し工事価格となります。
但し、見積提示の慣例といたしまして、単価×数量=提示価格となっていることから、
先に割り出された見積価格を数量で割り単価を算出することになります。
または、通常、施工業者は多くの様々な状況の建物を積算していることから、
自社にとっての単価情報が蓄積されているはずなので、作業環境や既存の塗膜状況を確認し、
単価を上下に変動させ適正価格を算出しているということもいえます。